インプラント周囲炎の原因・予防と治療法を徹底解説

インプラント周囲炎とは?その原因と予防法を解説します。

インプラント治療を受けている方にとって、「インプラント周囲炎」は気になる言葉ではないでしょうか?インプラント周囲炎とは、インプラントを支える組織に炎症が起こり、最悪の場合、インプラント自体が脱落してしまう可能性のある病気です。この記事では、インプラント周囲炎の原因や治療法、そして予防のための対策について、5つの海外の最新の研究を基に詳しく解説していきます。

 

1. インプラント周囲炎の原因とは?

インプラント周囲炎の主な原因は、インプラントの周囲に蓄積する細菌による感染です。特に、歯垢や歯石がインプラント周囲に蓄積すると、炎症が発生しやすくなります。Munoz et al.(2018)の研究では、インプラント周囲の歯周ポケットが深くなることや、プロービング時に出血することが、インプラント周囲炎の重要な診断基準であるとされています 。

Munozの研究から分かるインプラント周囲炎の予防策:

インプラント周囲炎を防ぐためには、日々の口腔ケアが非常に重要です。特に、インプラントの周囲を丁寧にブラッシングし、定期的に歯科医院でプロフェッショナルクリーニングを受けることで、細菌の増殖を防ぐことができます。また、糖尿病や喫煙といった全身的な健康状態もインプラント周囲炎のリスクを高めるため、これらのリスク因子にも注意が必要です 。

2. インプラント周囲炎の診断方法

インプラント周囲炎は、通常、プロービングによる検査やX線写真によって診断されます。Hashim et al.(2018)の研究によると、プロービング時の出血(BOP: Bleeding on Probing)は、インプラント周囲炎を診断する上での重要な指標の一つです 。ただし、BOPは必ずしも炎症や感染を意味するわけではなく、過剰なプロービング力によっても出血することがあるため、診断には慎重さが求められます。

Hashimの研究から分かるインプラント周囲炎の予防策:

インプラントを長持ちさせるためには、定期的な歯科検診が欠かせません。歯科医師や歯科衛生士がインプラント周囲の状態をしっかりとチェックし、早期発見・早期治療を行うことで、重篤な状態になる前に対処することができます。

3. インプラント周囲の軟組織の役割

インプラントの周囲にある軟組織(歯茎)は、インプラントの健康を保つ上で重要な役割を果たします。Pranskunas et al.(2016)の研究では、歯肉の厚さやケラチン化粘膜の量が、インプラント周囲の健康に与える影響について調査されています 。適切な歯肉の厚さがあると、歯垢が蓄積しにくく、炎症のリスクを低減できることが示されています。

Pranskunasの研究から分かるインプラント周囲炎の予防策:

インプラント周囲の軟組織の健康を保つためには、歯垢の蓄積を防ぐことが最も重要です。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、インプラント周囲の細かい部分までしっかりと清掃することを心がけましょう。また、定期的なプロフェッショナルクリーニングによって、歯石の除去も行うことが大切です。

4. インプラント周囲炎の治療方法

一度インプラント周囲炎が進行してしまった場合、治療が必要になります。Renvert & Polyzois(2018)の研究では、病的なインプラント周囲ポケットの治療について詳細に検討されています 。基本的な治療法としては、まず細菌のバイオフィルムを除去することが重要です。機械的な清掃に加え、抗菌剤の使用や、場合によっては外科的な治療が必要になることもあります。

Renvert & Polyzoisから分かるインプラント周囲炎の治療法:

インプラント周囲炎の治療には、患者様ご自身の協力も不可欠です。治療後は、定期的にメンテナンスを行い、口腔内の状態を常に清潔に保つことが大切です。また、必要に応じて歯科医師の指導のもと、適切なホームケアを続けていくことが重要です。

5. インプラント周囲炎の長期的なケア

インプラント周囲炎の治療後も、再発のリスクは残ります。そのため、定期的なメンテナンスとケアが重要です。Roccuzzo et al.(2018)の研究によると、インプラント周囲炎の治療を受けた患者が、3年以上にわたって継続的なサポートケアを受けた場合、インプラントの生存率は非常に高いことが報告されています 。

Roccuzzoから分かるインプラント周囲炎の予防策:

インプラント治療を受けた後は、定期的なフォローアップが必要です。特に、歯周病の既往がある方や、インプラント周囲炎を経験した方は、定期的に歯科医院でチェックを受け、必要なケアを継続することが再発を防ぐカギとなります。

インプラント周囲炎の原因・予防と治療法のまとめ

インプラント治療は、失った歯を補う優れた方法ですが、インプラント周囲のケアが不十分だと、インプラント周囲炎という深刻な問題が発生する可能性があります。しかし、適切な口腔ケアと定期的なメンテナンスを行うことで、そのリスクを大幅に減らすことができます。福嶋歯科医院では、インプラント治療後のサポートにも力を入れており、患者様のインプラントが長持ちするよう、継続的なケアを提供しています。ぜひ、定期的にご来院いただき、健康な口腔環境を保ちましょう。

 

インプラント周囲炎の原因・予防と治療法に関する参考文献

1. Muñoz, V., Duque, A., Giraldo, A., & Manrique, R. (2018). Prevalence of Peri-implant Disease According to Periodontal Probing Depth and Bleeding on Probing: A Systematic Review and Meta-Analysis. International Journal of Oral & Maxillofacial Implants, 33, e89–e105.

2.Hashim, D., Cionca, N., Combescure, C., & Mombelli, A. (2018). The Diagnosis of Peri-implantitis: A Systematic Review on the Predictive Value of Bleeding on Probing. Clinical Oral Implants Research, 29(Suppl. 16), 276–293.

3.Pranskunas, M., Poskevicius, L., Juodzbalys, G., Kubilius, R., & Jimbo, R. (2016). Influence of Peri-implant Soft Tissue Condition and Plaque Accumulation on Peri-implantitis: A Systematic Review. Journal of Oral & Maxillofacial Research, 7(3), e2.

4.Renvert, S., & Polyzois, I. (2018). Treatment of Pathologic Peri-implant Pockets. Periodontology 2000, 76, 180–190.

5.Roccuzzo, M., Layton, D. M., Roccuzzo, A., & Heitz-Mayfield, L. J. (2018). Clinical Outcomes of Peri-implantitis Treatment and Supportive Care: A Systematic Review. Clinical Oral Implants Research, 29(Suppl. 16), 331–350.

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