噛み合わせが歯周病に与える影響
今日は歯周病と密接な関わりのある噛み合わせについてお話ししていきます。
皆さんは普段食事をしていて何か硬いものを不意に噛んでしまったことはありませんか?
例えば、貝の中に入っていた砂つぶや骨つきと知らずにかじってしまった肉などです。
こういった予想外に硬いものを噛んでしまった時、歯はいつものつもりでいつもの力で噛んでいるので、非常に強い力で噛んでしまいます。
そのため歯の植わっている根っこ(歯根)にダメージが加わってしまうのです。
これを専門用語で『咬合性外傷』と呼びます。
簡単にいうと噛むことで怪我をしてしまった状態ですね。そして咬合性外傷には2つのタイプがあります。
一次性咬合性外傷
『一次性咬合性外傷』とは、歯茎は正常なのに噛む力が強かったせいでダメージを受けてしまったパターンです。
冒頭でご紹介したような砂つぶを噛んでしまったなどの他に、夜寝ている間に歯ぎしりをしている、食いしばっているなどもこのパターンに含まれます。
「正常な歯茎(歯周組織)に過度な力が加わった」のが一次性咬合性外傷。
二次性咬合性外傷
『二次性咬合性外傷』とは、弱った歯茎(歯周組織)に普通の力が加わった結果、怪我になってしまったパターンです。
特に歯周病患者さんの多くがこの状態に陥っています。
では、次にこの二次性咬合性外傷が歯周病とどのように関連していくか解説していきましょう!
歯周病と咬合性外傷
咬合性外傷が歯の植わっている歯茎にどんな影響を及ぼしているかは、1960年代にグリックマンという先生が研究をしていて、「咬合性外傷は直接歯周病の原因にはならないが、骨の構成要素に変化をきたして炎症が広がりやすくなる」としています。(Glickman, J Periodontal. 1963; 34: 5-10)
さらに続編の研究では、歯茎の腫れ(炎症)と過大な力(咬合性外傷)が組み合わさった時、歯茎が破壊的に壊されるという結論を出しています。(Glickman et al. J Periodontal. 1953; 36: 141-147)
つまり、咬合性外傷があることで歯周病がより進行しやすくなるということなのです。
でもこれって実はすごく簡単なことなんです。
例えば、腕の骨にヒビが入ってしまったとします。
普通はそのヒビを治すためにはギプスなどで固定しますよね?もし固定しないでプラプラした状態ではくっつきたくてもくっつけませんし、その状態でスポーツとかしたら余計腫れてしまいます。
歯周病と咬合性外傷も同じ関係です。
歯周病で歯槽骨がやられている時に変な力が加わったら、治りたくても治りません。
そこで、福嶋歯科医院では、歯周病の治療の一環として『暫間固定(ざんかんこてい)』というものを行なっています。
歯周病治療と暫間固定
暫間固定とは、一時的に行う固定のことです。固定力の強さで3種類に分けられます。
一番、弱いのは歯と歯の間に接着剤を流す方法、一番強いのは何本かの歯を削って被せ物で固定する方法。
どれも利点欠点があって、どれが一番良いというのはありませんが、お口の状態や患者さんの意見などを参考に共に選択していきます。
このように歯周病と噛み合わせは深い関係がありますし、治療のために咬合性外傷を改善していくことは必須なのです。
もしも歯周病でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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