重度歯周病にはFMD治療がおすすめ!

FMD治療とは?

歯周病にお悩みの皆さまはFMDという治療法を聞いたことがありますでしょうか?

FMDとは『Full Mouth Disinfection』の略で日本語に直訳すると『全顎除染治療』となります。

 

通常、歯周病の治療はその原因となる細菌やそれらが出した毒素の堆積物である「歯石」をクリーニングすることから始まります。

 

しかし、一般的な保険治療でのクリーニングは数日に分けて行うためせっかく綺麗にしたところも別の部位からの細菌が再感染し、結局クリーニングした意味がなくなってしまうのです。

 

そこで、お口の中の全ての部位を一度にまとめてクリーニングしてしまおうという考えが生まれました(1)

これがFMD治療です。

 

FMD治療のメリットとは?

FMD治療のメリットは何と言っても1度の治療でお口の中の感染源を可能な限り取り除けるという点です。

通常の保険治療を使ってのクリーニングですと全ての部位をクリーニングするまで3ヶ月近くかかります。

 

また過去に行われた研究からも複数回に分けてクリーニングを行うよりも、一度にまとめて行なった場合の方が180日後のバクテリアの数が少なかったという研究結果も出ています。(2)

こういった事実からもFMD治療には十分なメリットがあります。

 

また別のメリットとして歯科治療を行うと少なからず「菌血症」という状態が発生します。

これはお口の中の細菌などが血管の中に入る現象で、抜歯などの治療を行うと70%以上の確率で起きると言われています。

スケーリングなどのクリーニングを行なった場合も同様です。

 

菌血症は一般的に問題となりませんが、例えば心臓のカテーテル手術などを行なっている患者さんや心臓の弁に何らかの異常がある場合などは慎重にならなくてはなりません。

 

FMDのメリットは菌血症になる機会を少なくできる点です。FMD治療後の抗生物質を処方することで菌血症に対しても対応することが出来ます。

 

多くの中等度〜重度の歯周病患者さんは何かしらの疾患を持っていることが少なくありませんので、合併症を予防する意味でもFMD治療はおすすめです。

 

どんな患者さんにFMD治療がおすすめですか?

前述の繰り返しになりますが、FMD治療は以下の患者さまに推奨できる方法です。

  • 中等度〜重度の歯周病に罹患している
  • 糖尿病や高血圧といったその他の疾患を合併している
  • 歯周病治療をできるだけ早く進めて行きたい

合併症のある患者様については担当医にご相談のうえで可能かどうかの判断を致します。

また例え良い方法で感染源を取り除いたとしてもその後のブラッシングがきちんと行われていなければ効果が8週間ほどでバクテリアが戻ってきてしまうという研究結果も出ていますので、歯ブラシがとても大切だということは念頭に置いてください。(3)

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