医療先進国アメリカの歯科事情は?
先日、アメリカの歯科医院を見学する機会を頂けたため見学に行って参りました。
場所はアメリカの中央にあるカンザス州にある歯科医院です。
アメリカの医療制度にはいわゆる日本で言うところの『保険治療』と言うものがなく、全て自費治療です。
つまり、虫歯を一本治療するだけで数万円という医療費がかかることになります。
そこでアメリカでは民間の保険会社が医療保険を扱っており、個人の自由で保険に加入することが出来ます。
保険の種類によりますが、保険に加入しておくことで軽い負担で医療を受けられるようになります。
しかし、医療費を保険会社に負担してもらうために患者さんはやらなければならない事があります。
それが『年に2回の定期検診』です。
今回はこの定期検診に密着取材させて頂きました。
アメリカで歯科検診は義務?
まずアメリカで定期検診を受けたい場合、3ヶ月ほど前から予約を取らなければなりません。
日本人の感覚からするとあり得ないと感じるかもしれませんが、実はこういった国は少なくありません。
さらに予約日に行かなかったり、直前にキャンセルをすると数千円〜数万円のペナルティーを払わなければなりません。
これに関して日本ではペナルティーを払わせることはないと伝えたところ、「それはフェアじゃない。こちらは一人一人に対してきちんと準備をして待っているんだから、来るのが礼儀だし、来られないのであれば前もって連絡をしていただくのが筋だ」と言っていました。
確かにそうですね!
しかし、デメリットばかりではなくある意味「強制的に」定期検診に行かせられるで虫歯や歯周病などの病気を小さいうちに発見し、簡単な治療で済むようにすることが出来ます。
実は歯科の定期受診はアメリカの社会にも広く認知されていて、よく映画などでビジネスマンが『今日は歯医者の予約があるから早退する。』と行ったシーンにも表れています。
誰もが定期検診が必要だと考えているので、咎める人もいませんしむしろ行ってらっしゃい的な雰囲気にすらなっているのです。
アメリカの定期検診、その内容とは?
今回見学させて頂いた歯科医院ではまず「血圧測定」から健診がスタートしました。
歯医者にまつわる病気の中でも特に「歯周病」は、心疾患との関連性が高い病気です。
例えば歯周病の患者さんは約1.6倍も狭心症になりやすいリスクがあります。
その他にも日本人の死因のトップ3である『肺炎』のリスクが約4倍、糖尿病のリスクも2.6倍と歯周病であると言うだけで様々な病気にかかりやすくなるのです。
少なくともリウマチや高血圧といった10種類以上の全身の病気にかかりやすくなると言うことが分かっています。
https://www.fukushima-dental.jp/2017/12/19/30代からこそ行うべき歯周病予防/
そういった理由からアメリカでは歯科治療や予防処置をきちんと行うことで病気を未然に防ぎ、結果として医療費の削減につながると考えられているのです。
ちなみにアメリカで使われている健診の器具は日本でも馴染みのあるものでした。
1つ日本と違う点は、レントゲンの撮影装置が各チェアーの横に備え付けられていることです。
日本では「レントゲン」とか「エックス線」といった言葉に非常に敏感なため、レントゲンを撮影する機械は鉛の壁で覆われた部屋に置かなければなりません。
またレントゲン室の窓にも鉛が配合された特殊なガラスを使用しなければならないのです。
しかし、アメリカでは科学的な理由よってそこまで規制が厳しく無いようです。
実際に歯科治療で使われるエックス線の量は非常に少なく、最新の機械であればあるほど被曝量は抑えられています。
https://www.fukushima-dental.jp/2016/11/08/レントゲン撮影による被曝量/
衛生士さんによるチェック後、レントゲン撮影へ
血圧測定の後は、歯科衛生士さんによるお口全体のチェックがあります。
アメリカの歯科治療の特徴として面白いのが「患者さんがメガネをかける」ことです。
これは鋭い器具を使うことが多い環境なので、間違って器具が目の中に入らないようにといった配慮からです。
日本でも導入している歯科医院はありますが、あまり一般的ではありません。
チェック後、親知らずの状態を確認するために顎全体が写る大きなレントゲンを撮影していました。
その後、ドクターによるさらなるチェックが入ります。
アメリカの歯科医師も日本と同じく気さくな先生が多く、患者さんの質問に分かりやすく答えていました。
ただ、日本だと「様子を見ましょう」レベルの虫歯も「治療した方が良いですよ」という話でしたので、かなり厳密に虫歯の判定をしているんだなといった印象です。
衛生士さん、歯科医師の2人の医療従事者によるダブルチェック後、クリーニングを行い次回の定期検診までの注意点を説明して終了です。
この衛生士さんは1日8人ほど患者さんを診ているそうで、この仕事がとても楽しいと言っていました。
窓口での清算は一切なし!
健診終了後は窓口に行きますが、治療費などの清算は一切ありません。
全て保険会社が払ってくれるため払わなくていいのです。
最後に歯磨きグッズ(コルゲートの歯磨き粉とデンタルフロス)をもらって終わりました。
「コルゲート」は日本でいうところのライオンとかサンスターといった有名なメーカーです。
今回のクリニック訪問で感じたこと
今回の訪問では「定期検診に対する厳粛さ」や日本とは一味違った「患者さんへの配慮」などを垣間見ることが出来ました。
医療技術の面から見ても日本はまだまだアメリカに出遅れている部分が多く、技術面・サービス面ともにこれからも多くのことが学ぶ必要があるなと感じた旅でした。
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