リグロスは科研製薬が開発した“世界初”の歯周組織再生薬剤と言われていますが、実は歯周組織を再生させる製品はこれが初ではありません。
あくまでも『薬剤』として売り出すのが世界初なだけなのです。
この辺の話は置いておいて、今日は科研製薬が公表しているデータを元にリグロスを使った歯周病治療がどれくらい効果のあるものなのかを検証してみました。
なお、ここで使用しているイラストは全て科研製薬の資料から引用させて頂いております。
リグロスを使った歯周病治療の治癒過程
リグロスは一般的な歯周病治療と同様、基本的な治療を行なっても治癒しない病巣に対して行う治療法です。
現在日本の国民健康保険でまかなえる歯科治療で最大限の治療と行っても過言ではありません。
上の図のように病巣をクリーンにした後に、リグロスを塗布することで歯周組織が再生するという製品です。
では実際のデータを見てみましょう。
リグロスを使った歯周病治療のデータ
まずは下のデータをご覧ください。
この表は『再生材料としてトップシェアのEMD』と『新商品のリグロス』、そして『どちらの薬剤も使っていないFOP』という3つの治療方法を行なった時にできた骨の量を比較したものです。
この表を見ると「リグロス」を使うことで他の治療方法よりも良い結果が出ています。
しかし、ここで注目しなければならないのが、EMDを使った患者さんはデータを見る限りリグロスよりも悪い条件でテストされているという点です。
詳しい解説は割愛させていただきますが、より骨ができにくい患者さんがEMDの方に割り当てられている感が否めません。
ここに少し製薬会社の意図を感じてしまいました。
その他のデータとして「歯根」と「歯ぐき」がきちんと縫い合わさっている量を比較したものが下の表です。
これによると「リグロス」も「EMD」もほとんど差がなかったという結果になっています。
つまり『条件の悪い方で試験したEMDの方が優秀なんじゃないか?』と捉えることも出来ます。
リグロスを使った歯周病治療 まとめ
リグロスは健康保険でまかなえる初の再生療法なので多くの方が注目するのは当然です。
実際に東京都の多摩市馬引沢にある歯周病専門歯科医院である当院でも患者様からリグロスに関する問い合わせが多くなってきました。
テレビで「世界初の再生薬剤」という報道があったため『全くの新しい画期的な治療方法』というイメージをお持ちのかたもいらっしゃるようです。
歯周病専門医としての私のリグロスに対するイメージは『まだ分からない』というのが率直な感想です。
しかし、今後多くの歯科医院や研究機関で使用されデータが集まるにつれてより効果的な使用条件や実際に使用された先生方の評価や評判などがわかってくるかもしれませんね!
今回は少し専門的なデータの羅列で分かりにくかったところも多いかと思いますので、歯周病治療にご興味がある方はぜひ当院までご来院ください。
ちなみにEMDに関しては下の記事をご参考になさって下さい。
歯周病なら多摩市永山の歯医者「福嶋歯科医院」
〒206-0023
東京都多摩市馬引沢2-3-29 MAHIKIZAWA F1階
- 【月・火・水・木・土・日】
8:30~13:00 / 14:30~18:00 - 【金】
9:30~13:00 / 14:30~19:00 - 【休診】祝日
歯周病専門医が在籍する
永山の歯医者 「福嶋歯科医院」